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ピロリ菌

ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。

胃粘膜を生息域とする病原細菌です。

一度感染すると胃の粘膜に生息し続けます。

日本では年齢が上がるとともにピロリ菌に感染する方が増える傾向にあり、40歳以上では約70%の感染率ともいわれています。

ピロリ菌は、主に胃や十二指腸の病気、特に胃がんのリスクを高めますので、感染が分かった場合は、早めに治療を行いましょう。

ピロリ菌によって引き起こされる病気

ピロリ菌はウレアーゼという酵素を産生し尿素からアンモニアをつくって、胃酸を中和させます。

その結果、粘膜が傷つけられます。

ピロリ菌によって引き起こされる病気は下記の通りです。

  • 萎縮性胃炎
  • 消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)
  • MALTリンパ腫
  • 胃がん
  • 特発性血小板減少性紫斑病

ピロリ菌の検査

ピロリ菌に感染しているかどうか、下記の検査で判定を行います。

ピロリ菌抗体検査

血液や尿、唾液を採取し、ピロリ菌に感染した際にできる抗体がないかを調べる検査です。

便中ピロリ抗原検査

便を採取し、ピロリ菌の有無を調べる検査です。

簡便で精査の高い検査法です。

尿素呼気検査

胃内にピロリ菌が存在すればウレアーゼ活性により尿素から二酸化炭素が産生され、呼気中の二酸化炭素濃度が上がります。

検査用の薬を飲む前と後の呼吸に含まれる二酸化炭素濃度を調べることで、感染の有無を調べる検査です。

迅速ウレアーゼ試験

内視鏡で採取した生検組織に、ピロリ菌が存在すればウレアーゼ活性により尿素からアンモニアが産生され、pHの上昇が起こります。

それにより指示薬の色が変わり、ピロリ菌の感染が確認されます。

鏡検法

採取した胃の細胞を顕微鏡で確認し、ピロリ菌がいないかを調べる検査です。

培養法

クラリスロマイシン耐性菌の増加に伴い、除菌率が低下しています。

そのため、薬剤感受性検査は可能な限り行うことが望まれます。

ただし、保険の適用は得られていません。

除菌治療について

ピロリ菌の除菌には、胃酸の分泌を抑えるお薬と抗生剤2つの計3錠を1日2回、7日間服用する方法が用いられています。

除菌に失敗した場合には、抗生薬を1つ変更し、再度7日間の服用を行います。

2回目の除菌治療を行うことで、除菌できる確率は95%といわれています。

ピロリ菌の除菌治療後について

除菌治療後は、体内にピロリ菌がいないかの判定検査を行います。

この検査でピロリ菌が見つからなければ完了となります。

除菌が成功すると胃がん発症のリスクが減少するメリットが期待されます。

しかし、胃がん発生の可能性は依然として残りますので、1~2年に1回は必ず胃の検査を受けることが推奨されます。

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